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2010年1月17日

  • 税の最新情報

経済産業省、「事業再生に係るDES研究会報告書」を公表

経済産業省は1月14日、「事業再生に係るDES(Debt Equity Swap:債務の株式化)研究会報告書」を公表しました。


デットエクイティスワップ(以下「DES」)とは、デット(債務)をエクイティ(資本)へスワップ(交換)することで、「債務の株式化」のことをいいます。債務超過に陥っている企業が、債務を資本へと振り替える方法により企業再生を図る仕組みです。


平成21年度税制改正では企業再生税制の適用の条件の一つである「2 以上の金融機関等の債務の免除」にDESを加える等、事業再生にDESを利用しやすい環境が整えられてきました。


しかし、このような制度改正は行われているものの、一方でDESを行う場合の税務上の時価評価の具体的な方法が不明であるため、DESの活用に支障があるともいわれていました。このため経済産業省では、産業再生課長の私的研究会として「事業再生に係るDES研究会」を開催し、企業再生税制の適用対象となる一定の私的整理の場面におけるDESに関する税務上の時価評価の方法を検討してきました。その研究会での検討内容を報告書にまとめたものです。


同報告書では、債務者企業を巡る市場環境や、DESの概要、過去の企業再生税制改正の経緯等について記述した後、「企業再生税制の適用対象となる場面において、DESの対象となる債権の税務上の時価評価の方法」について検討しています。


また、同報告書はDES対象債権の税務上の時価評価方法について検討後、「具体的な事例へのあてはめ」として、①回収不可能部分のDES、②回収可能部分を含むDES、③種類株式の評価の3事例について記載しています。


今回、報告書にまとめられたことで、DES債権の税務上の時価評価方法について一つの指針が出来ました。同報告書は、今後の実務に影響を与えそうです。

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