生命保険料控除の拡充【令和7年度税制改正で決定見込み】

速報 2024年度(令和6年度)税制改正解説

1. 改正のポイント

(1) 趣旨・背景

子育て世帯において、生命保険は扶養者に万が一のことがあった際のリスクへの備えとしてニーズがあり、「扶養控除等の見直し」と併せて行う子育て支援税制の一環として、令和7年度税制改正において以下の方向性で見直しが検討される。

(2) 内容

23歳未満の扶養親族がいる場合には、所得税において新生命保険料に係る一般生命保険料控除の適用限度額が、現行の4万円から6万円に引き上げられるただし、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金の合計適用限度額は現行の12万円から変更されない。

② 一時払いの生命保険料は、生命保険料控除の適用対象から除かれる。

 

2. 適用時期

令和7年度税制改正において検討し、結論が得られる(見込み)。

 

3. 影響・対応策

一般生命保険料控除、介護保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額については、現行の12万円から変更されないため、すでに限度額に達している者は本改正の影響額がない。

 

4. 今後の注目点

① 令和7年度税制改正でどのように検討改正されるか。
② 個人住民税の適用限度額も同じように改正されるか。

 

(1) 平成23年12月31日以前に締結した生命保険契約等(旧契約)

区分 限度額(現行) 限度額(改正後
① 一般生命保険料 所得税 5万円
個人住民税 3.5万円
同左
② 個人年金保険料控除 所得税 5万円
個人住民税 3.5万円
合計(①+②) 所得税 10万円
個人住民税 7万円

 

(2) 平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等(新契約)

区分 限度額(現行) 限度額(改正後
① 一般生命保険料 所得税 4万円
個人住民税 2.8万円

所得税
23歳未満扶養親族あり 6万円
23歳未満扶養親族なし 4万円

個人住民税 2.8万円※

② 介護医療保険料控除 所得税 4万円
個人住民税 2.8万円
所得税 4万円
個人住民税 2.8万円
③ 個人年金保険料控除 所得税 4万円
個人住民税 2.8万円
所得税 4万円
個人住民税 2.8万円
合計(①+②+③) 所得税 12万円
個人住民税 7万円
所得税 (合計適用限度額は変更なし) 12万円
個人住民税 7万円※

※税制改正大綱に住民税の記載はないが同様の引き上げ措置が行われるものと考えられる。

 

 

内容につきましては、「令和6年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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