土地に係る固定資産税の負担調整措置及び条例減額制度の延長
速報 2024年度(令和6年度)税制改正解説
1. 改正のポイント
(1)趣旨・背景
2024(令和6)年度は、3年に一度の固定資産税評価額の評価替えの年にあたる。2024(令和6)年度の評価替えにおいては、負担水準のばらつきが拡大することが見込まれるため、税負担の公平性の観点から均衡化に向けた取組みが求められる。
(2)内容
現行の①負担調整措置②条例減額制度③下落修正措置について2026(令和8)年度まで3年間適用期限を延長する。
① 負担調整措置 : 商業地等及び住宅用地について、負担水準(前年度の課税標準額÷当年度の評価額)に応じて当年度の課税標準額を調整する措置。
負担水準 | 当年度の課税標準額 | |
商業地等 | 70%超 | 当年度の評価額×70% |
60%以上70%以下 | 前年度の課税標準額と同額 | |
60%未満 | 前年度の課税標準額+当年度の評価額×5%(※1.2) | |
住宅用地 | 100%以上 | 当年度の評価額の100% |
100%未満 | 前年度の課税標準額+当年度の評価額×5%(※2) |
(※1) 当年度の評価額の6割を超える場合には当年度の評価額×60%とする。
(※2) 当年度の評価額の2割に満たない場合には当年度の評価額×20%とする。
② 条例減額制度 : 市町村が条例により課税標準額の上限を決定することができる制度。
商業地等 | 課税標準額の上限を評価額の60~70%の範囲で条例で定める値とすることができる。 |
住宅用地及び商業地等 | 課税標準の対前年度増加率に上限(※)を設けることができる。 (※)1.1以上で条例で定める割合 |
③ 下落修正措置 : 原則、固定資産税評価額は3年間据え置かれるが、地価が下落した場合に毎年の固定資産税評価額を下落修正する措置
2. 適用時期
2026年度(令和8年度)まで継続する。
3. 実務のポイント
固定資産税の課税標準額については負担調整措置及び条例減額制度の適用があるが、2024(令和6)年度は、3年に一度の固定資産税評価額の評価替えの年であり、「固定資産税評価額」は変わる。
したがって固定資産税評価額を基にする不動産取得税・登録免許税の税額計算および相続税等の土地等の評価額の計算にあたっては、その評価替え後の固定資産税評価額により計算する旨、留意する。
内容につきましては、「令和6年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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