特定資産の買換えに係る期限延長と一部見直し
速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説
1. 改正のポイント
(1) 趣旨・背景
長期保有土地等の譲渡益を活用した事業再編や新たな国内設備投資を喚起し、生産性向上や内需の拡大を通じた持続的な経済成長の実現を図るために、内容に一部見直しを行った上で3年間(一定の買換えについては2年間)延長する。
(2) 内容
- 適用期限が2026年(令和8年)3月31日から3年間延長される。
※ 一定の船齢の日本船舶から環境への負荷の低減に資する一定の日本船舶への買換えのうち港湾の作業船については2年間延長される。 - 適用要件(対象資産、区域等、繰延べ割合)が一部見直される。
<適用要件の見直し>
| 号数 | 内容 | 改正後 |
| 一号 | 航空機騒音障害区域の内から外への買換え | 一定の区域内(※1)にある土地、建物等を譲渡資産の対象から除外 |
| 二号 | 市街地再開発事業による買換え | 既成市街地等及び一定の人口集中地区の区域内の土地、建物等の買換えの課税繰延割合 一定の区域(※2)以外の区域から都市再開発法による市街地再開発事業に関する都市計画に基づく買換え 80%から60%に引き下げ |
| 三号 | 長期所有(10年超)の土地、建物等から国内の土地、建物等への買換え | 買換資産のうち、建物及びその附属設備、構築物をそれぞれ以下のものに限定する。
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| 四号 | 一定の日本船舶から環境への負荷低減に資する一定の日本船舶への買換え | 港湾の作業船のうち、以下のものを譲渡資産の対象から除外 その作業船に設置されている原動機の定格出力の合計が1,500kW以下のもの |
(※1)防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の第二種区域
(※2)
- 次の区域(その区域が都市再開発方針の策定が努力義務とされている大都市の区域に該当する場合にあっては、その大都市の区域に係る都市再開発方針に定められた二号地区の区域に該当するものに限る。)
① 防災街区整備方針に定められた防災再開発促進地区の区域
② 特定都市再生緊急整備地域内の区域
③ 立地適正化計画に記載された都市機能誘導区域 - 都市計画に定められた被災市街地復興推進地域内の区域
2. 適用時期
2026年(令和8年)4月1日から2029年(令和11年)3月31日までの間に譲渡したものについて適用される。
ただし、一定の船齢の日本船舶から環境への負荷の低減に資する一定の日本船舶への買換えのうち港湾の作業船については2026年(令和8年)4月1日から2028年(令和10年)3月31日までの間に譲渡したものについて適用される。
3. 実務のポイント
長期所有(10年超)の土地、建物等から国内の土地、建物等への買換えについて、買換資産のうち、建物及びその付属設備を特定施設(※)の用に供される建物及びその付属設備に、構築物を特定施設に係る事業の遂行上必要なものに、それぞれ限定されるため注意が必要である。
(※)特定施設とは、事務所、工場、作業所、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設をいい、社宅、寮、宿泊所、集会所、診療所、保養所、体育館その他スポーツ施設、食堂その他これらに類する福利厚生施設は除かれる。

内容につきましては、「令和8年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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