住宅ローン控除の延長と見直し

速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説

1. 改正のポイント

(1) 趣旨

  • 住宅価格の高騰、人口減少、世帯規模の変化、カーボンニュートラルといった社会変化に対応し、豊かな住生活の実現を図るため、既存住宅の利活用の促進と省エネ性能の向上を目的として、令和7年末に 適用期限を迎える住宅ローン控除について、適用期限の延長と見直しを行う。
  • 安全・安心な住まいの実現の観点から、災害リスクの高い区域での新築住宅について、住宅ローン控 除の適用対象外とする

(2) 内容

① 住宅ローン控除の適用期限を2030(令和12)年12月31日まで5年延長する。

② 省エネ性能の高い中古住宅について、借入限度額の見直しを行うとともに特例対象個人の上乗せ措置の対象とし、控除期間を10年から13年へ3年拡充する。

③ 床面積要件の緩和措置について住宅の区分に関わらず適用対象とする(特例対象個人は上乗せ措置との選択適用)。

④ 省エネ基準適合住宅について、2030(令和12)年以降は新築等が認められなくなる予定であるため、借入限度額を引き下げ、2028(令和10)年以降は、原則、適用対象外とする。

⑤ 災害危険区域等内における新築住宅(従前家屋の建替えを除く)について、2028(令和10)年1月1日以降は、適用対象外とする。

⑥ 個人住民税について、現行制度と同様に、所得税で控除しきれなかった住宅ローン控除額を、翌年度の住民税から減額(最大9.75万円)する措置を講ずる。

⑦ 東日本大震災の被災者等に係る住宅ローン控除についても、適用期限の延長及び見直しが図られる。

(3) 借入限度額・控除期間・控除率

※1 2023(令和5)年末までに建築確認を受けた場合または登記簿上の建築日付が2024(令和6)年6月30日以前である場合には適用対象となる(借入限度額2,000万円、控除期間10年)。
※2 2027(令和9)年末までに建築確認を受けた省エネ基準適合住宅または登記簿上の建築日付が2028(令和10)年6月30日以前である省エネ基準適合住宅の新築等であって2028(令和10)年から2030(令和12)年までの間に居住の用に供したものは対象となる(借入限度額2,000万円、控除期間10年)。

(4) その他の要件

  改正前 改正後
入居時期 2024(令和6)年
2025(令和7)年
2026(令和8)年
2027(令和9)年
2028(令和10)年
2030(令和12)年
立地要件 新築:災害危険区域等内の場合は適用対象外 ※3,4
買取再販:立地要件無
中古:立地要件無
所得条件
(適用対象者の適用を受ける年分)
合計所得金額2,000万円以下 合計所得金額2,000万円以下
床面積要件

50㎡以上

【緩和措置】

特例居住用家屋・特例認定住宅等の新築等で、合計所得金額が1,000万円以下である場合には40㎡以上※5

50㎡以上

【緩和措置】

住宅区分に関わらず、合計所得金額が1,000万円以下の場合40㎡以上(ただし、特例対象個人は上乗せ措置と選択適用)

 

※ 3 災害危険区域等とは、災害危険区域(一定の居住用家屋が建築された場合における当該災害危険区域に限る)、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域及び浸水被害防止区域をいう。一定の居住用家屋が建築された場合とは、一定の住宅建築を行う者に対し、都市再生特別措置法に基づき、適正な立地を促すために市町村長が行った勧告に従わないで居住用家屋が建築された一定の場合をいう。
※ 4 個人が災害危険区域等内において、居住用家屋の新築(従前家屋(個人、個人の配偶者又は個人の一定の親族が5年以上居住の用に供し、又は供していた家屋に限る。)の建替えによる居住用家屋の新築を除く。)又は居住用家屋で建築後使用されたことのないものの取得をした場合に適用対象外となる。ただし、当該居住用家屋に係る建築確認を受けた時において、当該居住用家屋の新築をする土地の全部が災害危険区域等に含まれない場合には、この限りでない。
※ 5 特例居住用家屋とは、小規模居住用家屋(床面積が40㎡以上50㎡未満の居住用家屋)で2023(令和5)年12月31日以前に建築基準法第6条第1項の規定による建築確認を受けた居住用家屋をいう。特例認定住宅等とは、小規模居住用家屋で2025(令和7)年12月31日以前に建築基準法第6条第1項の規定による建築確認を受けた認定住宅等をいう。

2. 適用時期

住宅の取得等をして2026(令和8)年1月1日以後に居住の用に供した場合について適用される。

3. 今後の注目点

  • 気候風土適応住宅が新たに対象に追加されるが、借入限度額等の条件が現時点で明らかとなっていない。
  • 年末調整の取り扱いについて所要の措置が講じられる予定である。
  • いわゆる災害イエローゾーンも立地要件に追加するか、詳細は今後検討される予定である。

 

 

内容につきましては、「令和8年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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