NISAの投資可能年齢の拡充等

速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説

1. 改正のポイント

(1) 趣旨・背景

2023(令和5)年度改正における抜本的拡充・恒久化で、18歳以上の老後等に備えた十分な資産形成が可能になったことに続き、次世代の資産形成の支援を目的として、つみたて投資枠の対象年齢を拡充する。

(2) 内容

NISA口座の口座開設可能年齢の下限(改正前:18歳)を撤廃し、0歳~17歳に対して、新たにつみたて投資枠(年間投資上限額:60万円、非課税保有限度額:600万円)を設ける。

(注1) 高レバレッジ投資信託等の商品は対象から除く。
(注2) 商品性について内閣総理大臣が告示で定める要件を満たしたものに限る。
(注3) 払出し事由が子の入学金、教育費又は生活費の支払いのためであり、かつ、子がその払出しに同意したことを示す書類を含む一定の書類の提出があった場合は、12歳以降にも払出しが可能(災害により居住家屋が全壊した場合等の事由で税務署長の確認を受けた場合は12歳よりも前の期間でも払出しが可能)。

 

2. 適用時期

2027(令和9)年1月1日以降に開設されたNISA口座から適用

 

3. 実務のポイント

  • 18歳まで(注1)は、下記①②に該当する場合を除き、NISA口座から払出すことができない。
    ① 12歳未満(注2):災害により居住家屋が全壊した場合等(税務署長の確認を受けた場合に限る。)
    ② 12歳以上(注3):払出し事由が入学金、教育費又は生活費の支払いのためである場合等(子がその払出しに同意したことを示す書類を含む一定の書類提出が必要)
  • 上記①②以外の事由でNISA口座からの払出しがあった場合、そのNISA口座内で行われた譲渡にかかる譲渡益及び支払いを受けた配当に対して、通常の課税(注4)が行われる。なお、そのNISA口座内で譲渡損失が生じた場合には、その損失の金額はなかったものとみなされ、そのNISA口座内で生じた配当とも相殺できない。
  • 子の年齢が18歳(注5)に達した場合、年間投資枠等(注6)は自動的に18歳以上の向けの制度に移行する。

(注1)その年3月31日において18歳である年の前年の12月31日まで
(注2)その年3月31日において12歳である年の前年以の各年
(注3)その年3月31日において12歳である年以の各年
(注4)所得税15.315%、住民税5%の税率により源泉徴収(特別徴収)が行われる。
(注5)その年3月31日において18歳である年の1月1日以降
(注6)0歳~17歳の期間におけるNISA口座でのつみたて投資額は、移行後の生涯非課税限度額(1,800万円)に含まれる。

 

4. 生涯非課税限度額のイメージ

(1) 0歳~17歳までつみたて投資枠を利用、その後18歳以降つみたて投資枠のみを利用し、毎年上限額を投資した場合

k03-3

 

(2) 0歳~17歳までつみたて投資枠を利用、その後18歳以降つみたて投資枠と成長投資枠 を併用し、それぞれ毎年上限額を投資した場合

k03-3

 

(3) 留意点

17歳までつみたて投資枠を利用する場合、実質的に親や祖父母等からの贈与によるケースが多いと思われるため、それ以外に贈与を受けている場合は贈与税の申告もれに留意する。

 

5. その他の改正

(1) つみたて投資枠の投資対象商品の拡充

① 株式指数

  • 国内市場を対象とした株式指数のうち一定のもの
    ⇒ 個人の現預金が国内経済に投資され、経済成長を後押しする流れが加速化されることが期待
    <追加株式指数> 読売株価指数、JPXプライム150
  • 一定の広がりのある地域を対象とした先進国・新興国の株式指数単体で組成された投資信託

② 投資信託

  • 債券又は株式(改正前:株式のみ)が投資対象の50%を超える投資信託
    ⇒ リスクの低い投資信託の追加で、幅広い世代の資産運用ニーズに応える

(2) NISA口座に係る所在地確認の手続きの簡素化

  • 金融商品取引業者等が行う、NISA口座を保有している居住者等への住所等の確認措置を廃止する。
  • 改正後は、住所等の変更があった場合、居住者等が「非課税口座異動届出書」を金融商品取引業者等に提出する。
  • 住所等の変更の可能性がある居住者等から、一定期間内に「非課税口座異動届出書」の提出等がなかった場合には、つみたて投資枠等において新規の買付・移管を停止する等の運用上の対応を行う(注1)。

(注1)新規の買付・移管を停止する等の事実は、その年のNISA口座に係る「非課税口座年間取引報告書」にその旨が記載される。

(3) 適用時期

大綱に記載なし。

 

内容につきましては、「令和8年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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