不動産小口化商品の評価方法の見直し

速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説

1. 改正のポイント

(1) 趣旨・背景

貸付用不動産の市場価格と通達評価額とのかい離を利用し、相続税額・贈与税額を大幅に圧縮している事例が散見される中、現行の財産評価基本通達では、同通達に定める原則的な方法により評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価すること(財産評価基本通達総則6項)によって対応している。しかし、一方でこれを多用すると納税者の予測可能性が損なわれるという批判も出ている。

そのため、納税者の予測可能性を確保しつつ、評価の適正化及び課税の公平性を図る観点から、貸付用不動産の評価方法について見直しが行われることとなった。

 

【市場価格と通達評価額のかい離のイメージ】

 

(2) 内容

小口化された貸付用不動産(注1)については、その取得の時期に関わらず、課税時期における通常の取引価額に相当する金額(注2)によって評価することとする。

(注1)不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産
(注2)通常の取引価額に相当する金額については、課税上の弊害がない限り、次のいずれかの金額によって評価することができることとする。

  • 出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格・買取価格等
  • 事業者等が把握している適正な売買実例価額
  • 定期報告書等に記載された不動産の価格等
    ※上記3つを参酌して求めた金額

ただし、これらに該当するものがないと認められる場合には、貸付用不動産の評価方法に準じて評価(取得時期や評価の安全性を考慮)する。

 

【不動産の小口化イメージ】

 

 

2. 適用時期

2027(令和9)年1月1日以後に相続等により取得をする財産の評価に適用する。

 

3. 影響・対応策

  • 「取得の時期に関わらず」通常の取引価額に相当する金額で評価することになるため、過去に節税目的で不動産小口化商品を購入、改正後も保有している場合は、当初想定していた税務上のメリットが享受できない可能性がある

  • 小口化不動産市場における売却圧力の増加や価格への影響の可能性がある。

 

4. 今後の注目点

実務上、相続または贈与が発生する都度、事業者等から適正な処分価格等の提示を受けることができるか?

 

内容につきましては、「令和8年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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