国家税務総局が2025年2月26日において、正式に《個人所得税総合所得確定申告管理方法》を発表しました。(以下”方法”と略す)《方法》には合計三十七条の規定が含まれており、主な内容は、確定申告の準備方法および関連事項の申告内容、確定申告の申告方法、税金の納付および還付の方法、税務当局の管理方法および確定申告に対する法律責任になります。
今まで中国では個人所得税の確定申告業務について国家税務総局が年度ごとに、その年に対応する有効期間一年の税務局通知や公告の形で関連規定を発表してきましたが、今回の《方法》は国家税務総局が過去数年の確定申告の実務対応経験を踏まえて作成した比較的に長期間の運用を想定した管理規定となっております。
過去に発表された規定と大きな変更点はありませんが、法律責任についていくつか明確化した規定があります。
- 企業法人が所属従業員の源泉個人所得税申告を適切に行わない場合、企業の納税信用ランクに影響が出るリスクがあります。
- 企業法人の法定代表人自身の所得の個人所得税申告が適切に行われていない場合、その企業の納税信用ランクにも影響が出るリスクがあります。
納税信用ランクとは、各企業法人の常日頃の税務対応における信頼性が税務局から評価され、ランク付けされる仕組みになります。納税信用ランクが落ちると、税務局から注目されやすくなり、企業の清算の際に簡易清算プロセスに適応できなくなり、中国市場から撤退したい場合には企業の清算業務が長期化するリスクがあるので、十分な注意が必要になります。
参考: 国家税務総局令 第57号 個人所得税総合所得確定申告管理方法
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