海外デスクレポート

2026年5月21日

「中華人民共和国税関登録備案企業信用管理弁法」(税関総署令第282号)の施行とその影響 (中国)

「中華人民共和国税関登録備案企業信用管理弁法」(税関総署令第282号)の施行とその影響 (中国)

「中華人民共和国税関登録備案企業信用管理弁法」(税関総署令第282号)は、2026年4月1日より正式に施行され、中国の税関企業信用管理体系が全面的に再構築されます。信用区分の低下に応じて、税関での管理が厳格化し、輸出入貨物の検査の増加などの影響が生じます。

 

① 制度改正の核心

  • 信用区分:3段階から5段階へ
    • 高級認証企業:最上位/最大限の通関優遇・国際AEO
    • 認証企業(新設):AEO対象/中小企業向け
    • 一般企業:通常管理
    • 信用失効企業
    • 重大信用失効企業(新設):共同懲戒・厳格管理
  • AEO対象拡大:対象が高級認証企業と認証企業へ
  • 信用失効の修復制度を明確化:通関条件・物流コスト・取引継続性に直接影響

 

② 信用失効の主な「レッドライン」

  • 密輸・故意の輸出管理法違反

  • 違反件数・金額の累積超過
    1年以内における違反処分件数が、通関申告件数の1万分の1を超え、かつ違反金額が累計100万元を超えた場合(代理通関業務の場合は50万元超)

  • 税関執法への妨害、贈賄等
    税金・罰金の長期滞納税額を3か月以上滞納した、または罰金を6か月以上滞納し、かつ金額が1万元を超えた場合

 

③    日系企業の典型的リスク事例

  • 代理通関業者起因の信用低下
    ⇒ 委託先の申告ミス・違反が自社信用に波及

  • 税金・罰金の「うっかり滞納」
    ⇒ 金額が小さくても、期間超過で信用失効リスク

  •  輸出管理(該非判定・用途確認)の軽視
    ⇒ 「故意」と判断されると即・信用失効対象

  • 中国子会社の内部統制不足

    ⇒ 本社管理が弱いと、違反が累積評価される

     

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 大井 高志

    この記事の著者

    大井 高志
    税理士法人山田&パートナーズ  海外事業部 パートナー
    亜瑪達商務諮詢(上海)有限公司 総経理
    税理士・公認不正検査士

    2013年山田&パートナーズ入所。大手金融機関への出向後、2016年より上海へ赴任。中国系会計事務所への出向を経て2019年より現職。中国・香港・台湾における組織再編、進出・撤退支援、M&A関連業務、コーポレートガバナンス、不正調査対応、内部統制支援等のコンサルティング業務に従事。

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