海外デスクレポート

2023年9月19日

シンガポールにおけるビザ(Employment Pass「EP」)取得のための学歴認証制度 (シンガポール)

シンガポールにおけるビザ(Employment Pass「EP」)取得のための学歴認証制度 (シンガポール)

20239月よりCOMPASS制度が導入され、EP取得の審査がポイント制度となりました。新制度の導入により、今まで明確になっていなかったビザの審査基準が明確化されました。また、これに加えてEducational Verification(応募者の学歴を第三者機関で証明してもらう)が必要となります。今回は学歴認証について記載致します。

 

(1) 学歴認証の概要

学歴認証とは、EP申請者自身が、その申請前に申請者の卒業大学が実在しており、かつ、卒業証明書が真実のものであることをシンガポール人材開発省(Ministry of ManpowerMOM」)が指定する第三者証明機関が発行する証明書を取得、提出するプロセスをいいます。この制度はMOMが指定した第三者機関以外による証明は認められず、現在EPを取得しシンガポールで勤務、居住している外国人もEP更新時は学歴認証を受ける必要があります。 

 

(2)学歴認証が設けられた背景

日本人による学歴詐称は稀なケースですが、20217月の報道によると過去5年間で年間平均660件の偽造があり、これを背景として新しく学歴認証制度が設けられました。

 

(3)2023年9月以降のEP取得について

20238月までのEP申請については、候補者の給与水準等を審査基準としてEPの審査が行われていましたが、20239月以降はCOMPASSによる4つの指標による審査、さらに申請者の学歴認証が必要となります。

20239月以降は、過去の審査基準と異なるため注意が必要です。学歴認証の手続きは早めに行い、EP申請の際にスムーズに進めるようにしましょう。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 五味 拓也

    この記事の著者

    五味 拓也
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 税理士

    2017年税理士法人山田&パートナーズに入所。大手金融機関への出向後、2022年よりシンガポールに駐在。 現在、シンガポールにおける税務・会計に関するサービスに従事している。 主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援などである。
海外デスクレポートに戻る
すべて見る

CONTACT US

弊社へのご質問、ご依頼、ご相談など
各種お問い合わせはこちらにご連絡ください。

お問い合わせはこちら