海外デスクレポート

2023年11月21日

遺産税の基礎控除について2024年度のインフレ調整が発表されました。 (米国)

遺産税の基礎控除について2024年度のインフレ調整が発表されました。 (米国)

アメリカでは、税務上の数値基準をインフレに合わせて調整するTax Inflation Adjustmentsという制度があります。すべての税目や項目が対象ではありませんが、遺産税では基礎控除はこの調整の対象になっており、2024年度は12,920,000USDから13,610,000USDに増加することになりました(1ドル150円換算で、19億円から約20億円に増加)

 

現在の基礎控除額は、2018年から2025年までの間の時限立法です。これにより、5,000,000USDから10,000,000USDに拡大され、加えてインフレ調整が行われています。インフレが続いているため基礎控除が拡大していますが、2026年以降の改正にも注目が集まっています。

 

基礎控除の対象は原則として米国籍者やグリーンカード保有者ですが、米国と相続税条約を締結している国によっては異なる取り扱いが設定される場合もあります。例えば、日米相続税条約では、適用条件を満たす場合、全世界財産のうち米国財産の割合まで基礎控除を適用することができます。ただし、条件を満たさない場合は、基礎控除が60,000USD1ドル150円換算で、900万円)に大幅に減少します。

 

現在の米国の遺産税の基礎控除は日本に比べて高額ですが、相続時期や相続税条約の適用可否によって、実際の適用額は大幅に異なることに留意してください。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 遠藤 元基

    この記事の著者

    遠藤 元基
    Yamada & Partners USA, Inc.
    パートナー 日本税理士・公認不正検査士

    2007年税理士法人山田&パートナーズ東京本部入所、2011年福岡事務所開設・同所長就任。2019年よりベトナム及びタイに駐在。2023年より米国駐在。エステートプランニング、クロスボーダーM&A、グローバル組織再編、海外子会社不正調査など幅広い業務に対応。

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