海外デスクレポート

2024年1月17日

外国人労働者に関する政令の改正 (ベトナム)

外国人労働者に関する政令の改正 (ベトナム)

ベトナムの会社で勤務する外国人については、一定の手続を経て、その労働の許可を得なければなりません。その労働許可を得るためのステップについては前回の記事【2023年12月5日 ベトナムの労働許可証(WP)】を御参照ください。

2023年918日に、ベトナムで就労する外国人労働者及びベトナム駐在の外国組織・個人に雇用されるベトナム人労働者に関する政府の20201230日付政令第152/2020/NĐ-CP号の条項の一部を改正する政令第70/2023/NĐ-CP号が公布されました。

許可を得るための要件の厳しさや、窓口の違いによる手続きの煩雑さなどから、産業界より改善の要望が出ていた要件は反映されましたが、新たな要件も加わった形での改正となりました。以下、主な改正点です。

 

【主な改正点】

  1. 専門家・技術者としてベトナムの労働許可を求める場合、要件の1つとして、当該申請する者の高等教育や大学の専攻分野が、ベトナムでの職務内容と関連していることが求められておりましたが、この関連性を問わない要件に改正されました。
    具体的には、専門家の要件は「ベトナムで就労予定の職務に適合した実務経験を3年以上持ち、大卒以上または同等の学歴を有すること」、技術者の要件は「ベトナムで就労予定の職種に適した訓練を1年以上受け、実務経験を3年以上の経験を有すること」などに変更されました。
  2. 労働許可証は1回の発行で最大2年間の許可が与えられ、1回だけ更新が認められています。
    最大4年間を経過すると更新ではなく、新規の発行申請となります。従来は新規発行の際に、初回申請と同じ書類の提出が求められていましたが、提出書類のうち、専門家・技術者の証明書類は新規申請の際に使用した許可証の写しで代替できることになりました。
  3. 外国人労働者の雇用認否の管轄は、労働・傷病兵・社会省(MOLISA)または各地方省・中央直轄市の労働・傷病兵・社会局(DOLISA)となりました。これまでは、本管轄がMOLISAまたは省・市の人民委員会とされる一方、労働許可証発給などの管轄がMOLISAまたはDOLISAとされ、管轄当局の不一致が生じていました。
    また、工業団地・経済区で働く外国人の労働許可証の手続きもDOLISAが管轄することとなりました。これまでは、本業務は工業団地・経済区管理委員会が管轄しており、行政手続きが煩雑になっていたケースもありましたが、解消される形となっています。
  4. 2024年1月1日以降、外国人労働者の雇用を予定していても、まずはベトナム人向けに当該役職における求人募集をすることが義務付けられていました。雇用者は、MOLISAまたは各省市人民委員会傘下の公共電子情報ポータルなどで求人を告知し、その募集要項を公表しなければならないこととなりました。雇用者は、上記告知でベトナム人労働者を採用することができなかった場合に限り、外国人労働者を雇用する承認申請を進めることができる、といったフローに改正が行われました。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。

 

 

  • 川越 太介

    この記事の著者

    川越 太介
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 部長 税理士

    2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。日本国内では相続、事業承継、組織再編やM&Aなどの業務に従事しており、現在、ベトナムにおける税務・会計サービスを提供している。主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価格コンサルティングなどである。

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