前回はベトナム人労働者における対象の拡大や、規制緩和の解説をしましたが、今回はベトナムで働く外国人に対する改正についてご説明します。以下の改正も2025年7月1日より施行される予定となっております。
ベトナムでは以下の者は強制社会保険の加入が免除されることになっております。
- ベトナム企業にて就労する外国人が親会社からの内部異動で派遣されている場合
- 労働契約を締結した時点において定年退職年齢(現行法では一般的な労働に対して男性は61歳3ヶ月、女性は56歳8ヶ月、段階的に引き上げられる予定)
- ベトナムが加盟している国際条約により別途取り扱いがある場合
大きい改正のうちの1つは、従来ベトナム人配偶者がいる外国人は労働許可証の取得が免除されていることで強制社会保険の加入も免除されておりましたが、2024年社会保険法の改正では、ベトナム人配偶者がいる外国人であっても12ヶ月以上の労働契約を締結している場合には強制社会保険の加入が義務付けられることとなります。
また給与を受領していない企業経営者についても加入が義務化されるように改正され、月額保険料は最低額約3,000円から最高額約60,000円で設定される見込みです。
社会保険料の未納や滞納についても取り締まりを強化することとされており、支払うべき社会保険料額に加算金(延滞1日当たり0.03%加算)が課されることになります。
社会保険法の改正は近年ベトナムで進みつつある高齢化が背景となっております。長期的な社会保障制度の強化の一環として2024年社会保険法が施行されると考えられ、今後の動向にも留意する必要があります。
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