海外デスクレポート

2026年5月1日

輸出加工企業と付加価値税改正について (ベトナム)

輸出加工企業と付加価値税改正について (ベトナム)

輸出加工企業(以下、「EPE」という。)は、ベトナム国内企業でありながら、原則、加工した製品を海外へ輸出することになるため、ベトナム国外企業のような整理で課税関係が整理されていました。そのため、付加価値税(以下、「VAT」という)について、ベトナム国内企業のサプライヤーと取引をしても、ベトナム国内企業から見たときに輸出サービスとして取り扱われ、全ての取引について0%税率が適用されておりました。

しかし、20257月から、以下のサービスのみ輸出サービスとし、0%税率を適用するという内容に規定が改正され、現行EPE企業に大きな影響を与える可能性があります。

【輸出サービス】

① 輸出サービスが非課税区域内で消費されること
② EPEが行う輸出生産に直接寄与するサービスであること

 

一方で、公文書1292/CST-GTGTにて監査や税務コンサルティング・会計サービスや経営コンサルなどは0%適用の輸出サービスになるかという問い合わせの中に、こうした会計税務関連のサービスは免税区域内の組織への直接提供であることが追記される形で0%適用になると回答がありました。

さらにこの公文書では以下のようなサービスは0%適用対象外という点も明記されています。(一部のみ記載)

① 技術移転、知的財産権の海外譲渡
② 海外再保険サービス、信用(クレジット)サービス
③ 資本譲渡、デリバティブ商品
④ 郵便・通信サービス
⑤ 国内で購入したガソリン・石油を免税区域内の事業所に販売する場合、または自動車を免税区域内の組織・個人に販売する場合
⑥ ベトナム国内で国外の組織・個人に提供するサービスで、スポーツ大会、芸術公演、文化・娯楽、会議、ホテル、研修、広告、旅行・観光、ベトナム国内での商品販売・流通・消費に関連するサービス、キャッシュレス決済サービス

 

今後もEPE向けのサービスについて、さらに輸出生産に資するための支出であることをさらに厳格に要求される可能性があり、そうした場合には各サプライヤーからVAT分の値上げの要求がされたり、逆にEPEと取引している既存のサプライヤーは価格転嫁出来なければ、その分負担せざるを得なくなるなど、今後の動向によっては大きな影響があるものと考えられます。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 川越 太介

    この記事の著者

    川越 太介
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 パートナー 税理士

    2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。日本国内では相続、事業承継、組織再編やM&Aなどの業務に従事しており、現在、ベトナムにおける税務・会計サービスを提供している。主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価格コンサルティングなどである。

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