2026(令和8)年度税制改正大綱では、所得税の負担が生じ始める水準、いわゆる「年収の壁」を178万円まで引上げるとされています。
2025年度税制改正により「年収の壁」は160万円まで引上げられましたが、今回さらに18万円引上げられることになります。
「年収の壁」は、基礎控除と給与所得控除の合計額で決まります。基礎控除は、所得金額に応じて所得から差し引くことができる基礎的な控除です。給与所得控除は、会社員などの給与所得者が自動的に受けられる控除で、収入金額に応じて一定金額を経費とみなして差し引くことで、課税対象となる所得を減らします。
2025年における「年収の壁」は、基礎控除95万円(本則58万円+特例37万円)、給与所得控除65万円の合計160万円でした。
2026(令和8)年度改正では、2つの理由により控除額を引き上げるとされています。
(1)物価連動による引上げ
(2)「三党合意」を踏まえた対応による引上げ

(1)物価連動による引上げ
物価が上昇しているのに、基礎控除などの金額が据え置かれたままだと、実質的な所得税負担が重くなるという問題があります。そこで、税制改正時における直近2年間の消費者物価指数(総合)の上昇率に基づいて、控除額を調整することとされました。
2026(令和8)年度税制改正では、同指数の上昇率6%を踏まえ、控除額が引き上げられます。
(2)「三党合意」を踏まえた対応による引上げ
2024年12月の自由民主党・公明党・国民民主党による三党合意の趣旨を踏まえ、いわゆる就業調整への対応を図るとともに、物価上昇の中で足元の状況が厳しい中低所得者に配慮して、「年収の壁」を178万円に引上げる特例措置が設けられます。
また、年収665万円以下の中所得者についても、基礎控除を104万円まで引き上げる措置が講じられます。
これらの特例措置は、2026年・2027年に限られる時限措置とされています。
上記の結果、給与所得者の約8割を占める給与収入665万円以下の方については、大きな減税となる見込みです。

「年収の壁」に注目が集まりがちですが、実は多くの方に影響がある改正といえます。
詳しい改正内容及び実務上の留意点等は、 弊法人ホームページ「速報 2026年度(令和8年度)税制改正解説」 をご覧ください。
※ 本内容は、2026年度(令和8年度)税制改正大綱及び関連省庁の公表資料に基づいています。
今後の法令等により内容が変わる可能性がありますので、ご注意ください。