海外デスクレポート

2023年8月23日

シンガポールにおけるファミリーオフィス(13O)スキームの一部改正 (シンガポール)

シンガポールにおけるファミリーオフィス(13O)スキームの一部改正 (シンガポール)

シンガポールへの移住方法としては、シンガポール金融庁の承認を得たファミリーオフィスの活用が選択肢の一つです。その中で、特に利用される「13Oスキーム」について、改正が行われました。

太字の部分が改正部分です。

 

項目 主な内容
税額免除措置 特定収益(金融資産収益)
ファンドマネージャー要件
(資産運用会社/ファミリーオフィス)
シンガポール法人(2名以上のシンガポール投資専門家の雇用が必要。うち1名は親族外である必要あり。
※投資専門家とはポートフォリオマネージャー、リサーチアナリスト、トレーダーで、月収3,500SGD以上の収入があり、適格な活動に実質的に従事する者。
ファンド(所在地)要件 シンガポール法人のみ
規模要件 運用資産額SGD20M以上(申請時点以降)
ファンド事業経費要件
(シンガポール国内)
報告期間末のファンドのAUMに応じて、以下のとおり。
  • AUMがSGD50M未満
    年間SGD20万以上

  • AUMがSGD50M~SGD100百万
    年間SGD50万以上
  • AUMがSGD100M以上
    年間SGD100万以上

※事業経費には報酬、管理費、税務顧問料、運営費などが含まれる。

※上記の事業経費の計算にあたり、SGD20万以上の部分の計算については、一定の寄附金についてはその支出額の100%を、Asia Climate Solutions Design Grant等のブレンディッドファイナンスへの拠出金についてはその支出額の200%を算入して計算を行う。
投資家要件 制限なし
国内への投資要件 運用資産総額の10% or SGD10Mのいずれか小さい金額をシンガポール国内投資に充てていること。

※国内投資には、シンガポールの上場株式、適格債券、シンガポール認可のファンドマネージャーが販売するファンド、シンガポールの非上場株式の他、一定の気候関連投資やブレンディッドファイナンスへの投資が含まれる。なお、その計算にあたっては、以下の区分により、それぞれの金額を合計して計算する。

  1. シンガポールの上場株式、ETF(シンガポール上場株式への投資を主とするもの)等
    ・・・・・支出額の200%
  2. ブレンディッドファイナンス事業体への触媒的資本(譲許的資本)に対する投資(Ex. Climate Finance Partnership)等
    ・・・・・支出額の150%
  3. ETF(シンガポール上場株式への投資を主とするもの以外)でMASの承認を受けたもの、適格債券、シンガポールの非上場株式、一定の気候関連投資等
    ・・・・・支出額の100%

 

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 入江 貴陽

    この記事の著者

    入江 貴陽
    税理士法人山田&パートナーズ
    シニアマネージャー 税理士

    2013年入社。日本国内にて税務顧問、事業承継及びM&A関連業務を中心に関与し、2020年よりシンガポール駐在。シンガポールへの進出案件、組織再編業務、移住支援業務等に従事。

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