海外デスクレポート

2026年5月1日

シンガポールにおける中東情勢の影響及び対応状況について (シンガポール)

シンガポールにおける中東情勢の影響及び対応状況について (シンガポール)

シンガポールのローレンス・ウォン(Lawrence Wong)首相は、米国とイランの対立等を背景とした中東情勢の緊迫化を懸念しています。ホルムズ海峡の封鎖などにより、原油・LNG等のエネルギー供給に長期的な影響が及ぶ場合、エネルギー価格の上昇を通じてシンガポール経済に打撃を与える可能性を指摘しています。

シンガポール政府は、経済及び外交の両面におけるリスク管理を重視しており、総額約10億SGD(約1,250億円)規模の法人及び国民向け支援策を発表しました。

本支援策はエネルギー価格上昇リスクへの対応として、法人及び個人双方に対する直接的なコスト緩和策が中心となっており、その主な内容は以下のとおりです。

1. 法人向け支援

  • 2026年度政府予算で発表された法人税リベートの拡充
    (控除割合:40%→50%、払戻し上限:30,000SGD→40,000SGD
  • 適格企業向け現金給付額の引き上げ(1,500SGD→2,000SGD)
  • 省エネ設備導入支援の拡充

2. シンガポール国民向け支援策

  • 全世帯に対する500SGDのデジタル商品券の給付時期の前倒し
    (2027年1月→2026年6月)
  • 生活支援の現金特別給付の拡充(2026年9月予定。1人当たり400SGD→600SGD)
  • ガソリン価格上昇の影響を受けているタクシー運転手等への200SGDの現金特別給付(2026年4月実施予定)

【参考】

国際調査機関AMRO(ASEANプラス3マクロ経済調査事務局による経済見通し) 

GDP成長率 物価上昇率
25年推計 26年予測 27年予測 25年推計 26年予測 27年予測
シンガポール 5.0 3.4 3.1 0.9 1.8 1.8
インドネシア 5.1 5.0 5.1 1.9 2.8 2.9
マレーシア 5.2 4.6 4.7 1.4 2.0 2.0
フィリピン 4.4 5.3 5.8 1.7 3.9 3.6

【出所:AMRO】

 



  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 栗原 直希

    この記事の著者

    栗原 直希
    Assistant Manager, Yamada & Partners Singapore Pte. Ltd.
    公認会計士(日本)

    日本の大手監査法人及び中堅税理士法人での勤務を経て入所。
    日系グローバル企業や外資系企業の監査のほか、財務デューディリジェンス業務及び中小企業の税務顧問を中心に従事。
    現在、ASEAN地域におけるPMI支援を含むクロスボーダーM&A関連業務を中心に従事。
海外デスクレポートに戻る
すべて見る

CONTACT US

弊社へのご質問、ご依頼、ご相談など
各種お問い合わせはこちらにご連絡ください。

お問い合わせはこちら