海外デスクレポート

2023年11月30日

ベトナムの個人所得税(課税所得について) (ベトナム)

ベトナムの個人所得税(課税所得について) (ベトナム)

ベトナムでは居住者と非居住者に納税義務者が区分されており、それぞれの区分に応じて課税所得の範囲が定められています。居住者は全世界所得課税方式となっており、源泉地国を問わず、全ての所得が課税されます。一方で非居住者の課税対象はベトナム国内の源泉所得に限られ、その受領方法は国内外を問わない取り扱いとなっています。

 

所得税率

  • 居住者は全世界所得が課税範囲となり、それぞれの所得の種類に応じて、算定方法と税率が定められています。給与所得のみの場合は、一定の所得控除を差し引いて、税率を乗じて納税額を算定します。その場合の税率は以下の通りで、累進課税方式となっています。
    月次課税所得 税率 速算控除額
    500万ドン以下 5% -
    500万超~1,000万ドン以下 10% 25万ドン
    1,000万超~1,800万ドン以下 15% 75万ドン
    1,800万超~3,200万ドン以下 20% 165万ドン
    3,200万超~5,200万ドン以下 25% 325万ドン
    5,200万超~8,000万ドン以下 30% 585万ドン
    8,000万超 35% 985万ドン 
  • 非居住者はベトナム国内源泉所得に対して一律20%を乗じて納税額を算定します。また、人的控除やその他の所得控除の適用はなく、直接、ベトナム国内源泉所得に対して税率が乗じられます。
    なお、日本とベトナムを行き来するような方は、国内源泉の計算にあたっては、下記の按分計算が可能です。

    ① ベトナムに滞在していない場合
    1

    ② ベトナムに滞在している場合
    2

 

なお、ベトナム源泉所得額を特定できる場合には上記の按分計算は不要ですが、そのベトナム源泉所得と特定した金額があまりにも低い場合には、税務調査時に不適切として指摘を受けることがありますのでご留意ください。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 川越 太介

    この記事の著者

    川越 太介
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 部長 税理士

    2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。日本国内では相続、事業承継、組織再編やM&Aなどの業務に従事しており、現在、ベトナムにおける税務・会計サービスを提供している。主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価格コンサルティングなどである。

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