海外デスクレポート

2024年1月22日

ベトナム労働契約 (ベトナム)

ベトナム労働契約 (ベトナム)

ベトナムでは労働契約の終了期限を明記しない無期限労働契約と期限が定められた有期限労働契約の2種類あります。有期限労働契約は契約開始から36か月を超えない期間で定めることが可能で、また期限到来後は1回のみ更新することが出来ることとされています。1回更新して、その後も継続して労働契約を締結する場合には無期限労働契約のみ締結することが出来ることとされています。

労働契約には以下の主要な項目を記載しなければならないとされています。

 

① 雇用主の名称,住所及び雇用主側の代表となる者の氏名,ポジション
② 労働者者の氏名,生年月日,性別,居住地,身分証明書の番号
③ 業務内容及び職場の場所、労働時間,休憩時間
④ 労働契約期間
⑤ 賃金額,賃金の支払方式,賃金支払時期,手当及びその他の補充項目
⑥ 労働者に対する労働保護設備の取り扱い
⑦ 昇格,昇給制度
⑧ 社会保険,医療保険及び失業保険の取り扱い

 

さらに労働契約に際し、試用契約を締結することも可能で、1つの業務に対して1回だけ試用契約を締結することが出来ます。それぞれのポジションにて以下の期間を超えない範囲での試用と定められています。

 

1)企業管理者 180
2)短大以上の専門技術を要する職位 60
3)職業訓練や専門学校など技術ワーカー 30日

 

なお、試用期間中の給与については双方の合意で決めることが出来ますが、決定した給与額の85%が下限とされています。また、試用期間終了後に有期限労働契約を締結する場合は、その更新も1回にカウントされ、次にその有期限労働契約の更新の際には無期限労働契約しか締結できない点も留意が必要です。これは労働契約とは無期限か有期限かだけに分かれており、試用契約も1つの有期限労働契約の範囲になると解釈されているためです。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 川越 太介

    この記事の著者

    川越 太介
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 部長 税理士

    2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。日本国内では相続、事業承継、組織再編やM&Aなどの業務に従事しており、現在、ベトナムにおける税務・会計サービスを提供している。主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価格コンサルティングなどである。

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