2025年1月にグローバル・ミニマム課税の詳細な指針を示す政令が決議され、2024年度の会計年度から適用される予定となっています。その決議にはグループのグローバル・ミニマム課税の申告を担当する申告事業体に関する通知の提出が含まれています。
この決議については、ベトナム国内に複数の事業体を有する多国籍企業を対象とした決定ではありますが、1つの事業であっても届出を求められる可能性があります。
【決議内容】
- ベトナム国内に複数の事業体を有する多国籍企業グループは、事業年度終了後30日以内に、グループの追加法人税の申告および納税を担当するベトナム国内の事業体を1つ指定する旨の届出書を提出する必要があります。
- 多国籍企業が上記の期限を遵守できない場合、税務当局が期限から30日以内に納税申告および納税の責任を負う事業体を指定することとされています。
- 上記の通知期限を遵守しない場合、ベトナムにおける多国籍企業の事業のデータベースに基づき、税務当局の判断により申告CEが決定されるリスクが生じます。
(注)草案では、適格国内最低課税(QDMTT)の対象となる企業については、税務当局は最新の財務諸表に記載された総資産額が最も高い事業体を申告CEとして指定すると述べられています。
2024年12月31日に事業年度が終了する多国籍企業から対象にされていることもあり、早急に該当する多国籍企業については、どの会社を申告事業体とするか対応を求められることになります。また今回はベトナム国内に複数の事業体を保有する多国籍企業とされていますが、今後、1つのみの事業体しかない場合であっても何かしらの届出義務やガイドラインが発行されますので、グループ会社間でどのような税務コンプライアンスにて実行するか計画しておく必要があるものと思われます。
- 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
- 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
- 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。