海外デスクレポート

2026年6月15日

ベトナム資本譲渡による改正 (ベトナム)

ベトナム資本譲渡による改正 (ベトナム)

M&Aやグループ内でのクロスボーダー組織再編など、ベトナムの企業においても多くの資本取引が行われていますが、2025年の法人税の改正により課税の取り扱いが大きく変更された点がありますのでご紹介します。
 
【現行の資本譲渡課税】
現行の制度では基本的には日系のベトナム企業のM&Aやクロスボーダー組織再編により株主が変更した場合には、以下の計算式の通り、譲渡益に対して課税されていました。

譲渡所得税=(譲渡価額 - 取得価額 -譲渡費用)× 20%

一方で、ベトナム上場会社の株式やそれに類する株式の譲渡については、証券譲渡とされ、譲渡価額×0.1%の売上高基準により課税される取り扱いとなります。そして、この度の改正により証券譲渡に該当しない場合であっても、譲渡者又は譲受者、もしくはその両方が外国法人である場合には以下の要件を満たさない資本譲渡については譲渡価額に対する課税に改正されました。

 【改正後の資本譲渡課税】
譲渡所得税 = 譲渡価額 × 2%

① 取引が同一グループ内の再編取引であり、第三者への売却ではないこと
② 当該取引により、最終親会社が変更されないこと
③ 再編後も当該グループがベトナム法人に対して直接または間接に持分を継続保有していること
④ 当該取引により、譲渡人に実質的な所得が発生しないこと

算定方法は簡便になりましたが、例えば撤退する場合のM&Aなど、投下した資本金よりも低い価格で譲渡した場合には、これまでは申告が必要ではあったものの、税負担が発生していませんでしたが、今後は上記全てに該当しないことから、交渉の際にも税負担の論点が必要になってくるものと考えられます。

グループ内組織再編で上記の条件に該当する場合のみ、譲渡所得としての課税方式が適用できることになりました。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 川越 太介

    この記事の著者

    川越 太介
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 パートナー 税理士

    2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。日本国内では相続、事業承継、組織再編やM&Aなどの業務に従事しており、現在、ベトナムにおける税務・会計サービスを提供している。主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価格コンサルティングなどである。

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