法務省は現在、商業登記規則等の改正案について、パブリックコメントを募集しています。今回の改正の柱は、株式会社に限られている「一部非表示措置」の対象を、合同会社などを含むすべての会社に広げることです。
一部非表示措置とは、申出により、代表取締役などの住所について、登記事項証明書や登記事項要約書に町名・番地などの一部を表示しない制度です。

出典:法務省「代表取締役等非表示措置について」
会社役員の住所は、取引の安全や債権者保護のため登記事項とされています。一方で、インターネットなどを通じて住所が広く知られることで、役員本人や家族が、ストーカー行為や嫌がらせ、犯罪被害に遭うおそれもあります。こうしたプライバシーや安全への配慮から、制度が設けられました。
法務省によると、2026年6月時点で、この措置により非表示となった累積件数は23,098件に達しています(出典:法務省「代表取締役等住所非表示措置の申出による実施件数(月報)」。
対象がすべての会社に広がれば、株式会社以外の会社でも、役員の安全確保やプライバシー保護が図りやすくなります。特に、少人数で経営する合同会社などにとっては利用しやすい制度となるでしょう。
ただし、住所の一部が確認できなくなることで、取引相手や債権者が役員の所在を把握しにくくなる側面もあります。制度を利用する場合には、金融機関や取引先との手続に影響が出ないか、事前に確認しておくことが大切です。
改正は2026年12月に予定されています。