税のトピックス

2023年7月10日

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政府税調、中期答申を提出

政府税調、中期答申を提出

 政府税制調査会は、今後の税制のあり方を示す中期答申「わが国税制の現状と課題-令和時代の構造変化と税制のあり方―」をまとめ、岸田首相に提出しました。答申の全文は250ページを超え、4年前の前回答申と比べると10倍近い分量になっています。

 


 

「わが国税制の現状と課題-令和時代の構造変化と税制のあり方-」

目次

 

はじめに

1部 基本的考え方と経済社会の構造変化

.租税の役割と基本的考え方

.租税制度の変遷と近年の税制改革の流れ

.経済社会の構造変化

 

2部 個別税目の現状と課題

.個人所得課税

.資産課税等

.消費課税

.法人課税

.国際課税

.納税環境の整備

 

おわりに ~税に対する理解を深めるために

 


 

 中長期的な視点にたった答申のため、改正等に向けた具体的な内容というよりも、現行制度の課題や税制のあり方などについて記載しています。

 答申の内容を見ると、「はじめに」において、コロナ禍への対応としての緊急的な財政出動により、わが国財政は一層深刻な状況になっているとした上で、将来世代へ負担を先送りしている状態を続けないよう、持続的な経済成長を実現しつつ、租税の財源調達機能を十分に果たしていく必要があるとしています。

 そのためには、社会の様々な問題・課題をしっかりと把握し、将来生じ得る変化も見据え、目配りすることにより、「公平・中立・簡素」に適う、多くの人から納得感を得られるような税制を構築することが大切だとしています。

 

 個人所得課税については、その課題として(1)働き方など個人のライフコースの選択に中立的な税制の構築、(2)所得再分配機能の適切な発揮の観点からの検討、(3)税制の信頼を高めるための取り組みの3点があげられています。

 特に、昨今、所得の稼得手段が多様化してきている状況を踏まえ、公平かつ働き方に中立的な税制を検討していくことが求められているとして、給与所得、事業所得、雑所得といった所得間の課税上のバランスを確保していくという視点が重要であるとしています。

 また、税制が、給与・退職一時金・年金の支払や受給に関する企業や個人の選択にできるだけ影響を及ぼさないよう、給与・退職一時金・年金給付の間の税負担のバランスにも留意しつつ、引き続き、中立的な税制のあり方を検討していく必要があるとしています。

 

 相続税・贈与税については、適正かつ公平な課税を行っていく上では、財産の価値を適正に評価することが重要であるとして、租税回避が行われていないか、資産の選択を歪めていないか、といった観点も含め、財産の評価方法について、不断に点検することが必要であるとしています。

 

 消費税については、消費税が貯蓄収益を得る際には課税されないため、貯蓄に中立的であり、老後の生活の準備に向けた取り組みに親和的であるとしています。また、最終消費地で課税を行うとの国際的に共通したルールの下、国境税調整が行われるため、内外の税率差による国際競争力への影響を遮断できるなど、企業活動に与える影響が相対的に小さいという特徴があるとしています。

 

 国際課税については、経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応として、2本の柱からなる解決策の合意内容の実施に向けた取り組みが最優先課題であるとしています。

 また、経済社会や技術の変化に応じて、新たな租税回避リスクが生じる可能性があるとし、引き続き、租税回避等への対処に係る不断の取組みが必要であるとしています。

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