ガソリン等に対する旧暫定税率を廃止する法案が、11月28日に参議院本会議で可決・成立しました。これは立憲民主党など野党が8月に提出していた法案を、与野党6党の合意のもと修正したものです。法案の成立により、ガソリンの旧暫定税率は本年12月31日に廃止されることとなりました。軽油引取税の旧暫定税率も来年4月1日に廃止される予定です。
旧暫定税率はガソリン1リットル当たり25.1円のため、一度に廃止すると急激な価格変動が起こり、買い控えや販売現場の混乱が生じるおそれがあります。そこで政府は、ガソリンの実勢価格が段階的に引き下げられるよう、11月13日から補助金の支給額を増額しています。

出典:資源エネルギー庁・補助金の段階的拡充についてのご案内ポスター
資源エネルギー庁のガソリン店頭現金小売価格調査の結果を見ると、増額後の11月17日には1リットル当たり3.7円、11月25日にはさらに1円、価格が下落しています。

出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果」
旧暫定税率の廃止に伴う国・地方の減収は年1.5兆円程度と見込まれますが、現時点で明確な代替財源は決まっていません。旧暫定税率廃止法案の附則には「法人税関係特別措置の見直し、極めて高い所得に対する負担の見直し等の税制措置を検討し、令和七年末までに結論を得ること」と規定されており、令和8年度税制改正に向けた議論の行方が注目されます。