財務省は、ホームページに「租税特別措置の適用実態調査結果に関する報告書(令和8年2月国会提出)」を公表しました。この報告書は、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律第5条第2項に基づき、国会に提出されたものです。
平成22年度税制改正で同法が制定され、法人は、法人税関係特別措置のうち税額や所得を減少させる規定を適用する場合、適用額明細書を法人税申告書に添付して税務署に提出する必要があります。
適用実績
令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に終了した事業年度等(令和6年度)において、適用額明細書の提出があった適用法人数は1,517,466法人(前年度比約3.2万法人増)、適用件数は延べ2,513,286件でした。
最も利用された個別措置
個別措置の適用件数をみると、「中小企業者等の法人税率の特例」の適用件数が最も多く、次いで「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」が多く利用されています。

出典:財務省「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書(令和8年2月国会提出)」より筆者作成
租税特別措置の問題点
租税特別措置は、特定の政策目的実現に有効な政策手段となりうる一方で、業界偏重や政策効果の検証不足など問題点が指摘されています。税負担の歪みを生むとして税制の公平・中立・簡素原則の観点から、ゼロベースの見直しが求められています。
2026年度(令和8年度)税制改正大綱の方針と廃止措置
「ゼロベースで見直し、政策効果の低いものは廃止」との方針のもと、見直しが行われました。これにより3項目が期限到来で廃止されます。令和6年度適用実績は以下の通りです。
政府は、内閣官房に租税特別措置・補助金見直し担当室を設置し、国民からの提案を募集中です。
今回の報告書の結果と併せ、租税特別措置の適性化の動きが加速しそうです。