1. はじめに
米国の州税は連邦税とは別に課される地方税ですが、州ごとの独自性が非常に強いことが特徴です。そのため、米国進出、米国投資、米国移住の検討の際には、州税制度の理解は不可欠です。また、民法や会社法なども州法に基づいているため、法務面においても州ごとの違いに留意する必要があります。
2. テキサス州の概要
テキサス州は、アラスカ州に次ぐ全米第2位の面積を有し、その広さは日本の国土の約1.8倍に相当します。また、人口はカリフォルニア州に次ぐ全米第2位で、約3千万人が居住しています。州個人所得税が課されないことや、比較的手頃な住宅価格、製造業をはじめとする企業誘致の成功などを背景に人口流入が続いており、直近25年間で約1千万人増加しています。近年は、こうした人口増加や経済成長を背景に、不動産投資先としても注目を集めています。
州経済の中心地であるダラスには、年間8千万人以上が利用する全米有数のハブ空港であるダラス・フォートワース国際空港があります。また、エネルギー産業や宇宙産業が集積し、外国貿易貨物取扱量で全米トップクラスを誇るヒューストン港を擁するヒューストン、そして「シリコンヒルズ」とも呼ばれ、多くのIT企業が集まるオースティンなど、全米を代表する産業拠点を抱えています。
テキサス州の経済規模はカナダやブラジルを上回る水準にあり、州単体のGDPを国と比較した場合、世界でも上位に位置する規模を誇ります。そのため、米国経済をけん引する州の一つとして広く認識されています。
近年では、オラクル、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、チャールズ・シュワブ、テスラ、キャタピラーなど、多様な業種の大手企業がテキサス州への本社移転を発表しています。日系企業においても、2017年のトヨタ自動車やクボタをはじめ、2020年以降も日本製鉄、JAL、丸紅、キヤノン、東京エレクトロンなどが進出・拠点拡充を進めています。こうした動きを背景に、テキサス州は米国において特に注目を集める州の一つとなっています。
3. 州税概要
| 2026年 |
テキサス州税 |
連邦税 |
| 法人税 |
総収入に原則0.75% (小売・卸0.375%他) ※ 例えば、利益率10%の企業にとっては実質法人税率7.5%といえる。 |
21% |
|
所得税
|
― |
37% ※ 長期譲渡税率は20% ※NIIT3.8% |
| 遺産税 |
― |
40% ※ 基礎控除額は15百万USD |
| 相続税 |
― |
― |
| 売上税・使用税 |
8.25% |
― |
|
固定資産税(賃貸物件)
|
1.6%~2.5% 全米でもトップクラスに高い |
― |
| 源泉税(不動産譲渡時) |
― |
売却価格の15% ※ 米国税法上の非居住者または外国法人が源泉税の対象 |
| 不動産譲渡所得税 |
― |
0~20% |
|
不動産移転税 (Transfer Tax)
|
― |
― |
※ 上記表は主な最高税率を記載しています。群や市で一部異なる税率となる場合があります。
※ 米国非居住者の遺産税基礎控除は上記とは異なります。
4. 留意事項
本稿は記事作成時点における法令・制度等に基づいて作成しており、その後の改正等により内容が変更となる場合があります。米国への進出、投資、移住を検討される際には、最新の制度や規制をご確認いただくことをお勧めします。なお、米国における投資や資産保有、事業活動は、日本側の税務上の取り扱いにも影響する可能性があります。
山田&パートナーズでは、東京・大阪・ニューヨーク・ロサンゼルス・ハワイに米国デスクを設け、米国内の各州に関する論点に加え、日米クロスボーダー税務にも対応しています。米国関連の税務・投資・事業展開についてご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
(補足)過去の州税シリーズ
- 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
- 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
- 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。