総務省は新たに旭川市など10市町村の宿泊税新設に同意しました。近年、日本各地で「宿泊税」を導入する自治体が増えており、今年に入ってから総務省が新設に同意した自治体数は、21になります。

出典:総務省「『宿泊税』の新設」より作成
■ 宿泊税とは
宿泊税とは、ホテルや旅館などに宿泊する際に、宿泊者に対して課される地方税です。多くの場合、宿泊料金に応じて一定の金額が徴収され、その税収は観光振興や地域のインフラ整備、また観光客による地域社会への負担軽減などに活用されます。
■ 宿泊税新設の手続き
宿泊税導入を希望する自治体は、地方税法に基づき、総務省の同意を得る必要があります。導入には、議会での条例制定、総務省への申請、そして同意という手順が必要です。

出典:総務省HP「法定外税新設の新設等の手続」
■ 宿泊税導入自治体の拡大
現在、宿泊税を導入している自治体は全国で102にのぼります。今後実施を予定している自治体(今回新たに総務省の同意を得た10自治体を含む)を加えると、令和8年中には全国124の自治体で宿泊税が導入される見込みです。東京、大阪、京都などの大都市だけでなく、地方都市やリゾート地にも広がりをみせています。
■ なぜ今、宿泊税の導入が増えているのか
宿泊税導入拡大の背景には、観光地に訪れる宿泊客数の増加に伴い行政サービスの需要が増えていることや、新たな観光施策の財源確保が求められていることがあります。また、コロナ禍からの観光需要回復も追い風となっています。宿泊税は、観光客増加により増えた行政コストの負担を地域外からの訪問者にも求めることで、公平な行政運営を目指す仕組みといえます。さらに、自治体独自の観光施策やプロモーションを進めるうえでの財源としての重要性が高まっています。
今後も宿泊税導入の動きは全国的にさらに広がっていくことが予想されます。