国税庁は、「令和7年度 査察の概要」を公表しました。
1. 全体概況
全国の国税局が令和7年度に強制調査(査察)で摘発した脱税事件は82件、脱税総額は約84億円となったことが国税庁の統計で明らかになりました。
公表データによると、令和7年度に全国の国税局査察部が着手した事案は131件で、前年度の未処理事案を合わせた処理件数は127件、処理済み脱税総額は111億3,700万円となっています。前年度比では脱税総額が1億3,300万円減少しており、3年連続の減少傾向にあります。
2. 告発状況の分析
検察庁に告発した事件は82件(前年比16件減)で、告発率は64.6%(前年比0.7ポイント低下)です。告発事案の脱税総額は83億9,000万円で、前年比1.6億円の増加を記録しています。
注目すべき点として、1件あたりの平均脱税額が1億200万円と、過去10年間で最高額に達しました。 件数は減少しているので、告発対象が悪質性・脱税額の大きい事案に絞られている可能性があります。
3. 税目別告発件数と特徴
税目別に告発件数をみると、以下の通りです:
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法人税:44件(脱税総額46億900万円) ―告発全体の53.7%を占める
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消費税:23件(脱税総額14億5,800万円) ―件数では2番目だが、税目別では不正受還付事案に注視すべき
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所得税:13件(脱税総額13億5,400万円) ―1件あたり平均約1億400万円半数以上が法人税となっています。
4. 告発事例
国税庁では、以下のような多様かつ巧妙な不正行為を対象に告発を積極化させています:

出典:国税庁「国税査察制度~脱税は、犯罪。~」
5. 査察事件の一審判決の状況
告発後に裁判となった事案で、令和7年度中には80件の一審判決がありました。全てに有罪判決が言い渡され、そのうち6人に実刑判決が出されています。実刑判決のうち最も重いものは、懲役6年でした。

出典:国税庁「国税査察制度~脱税は、犯罪。~」