国土交通省は3月18日、令和8年1月1日時点の公示地価を公表しました。
公示地価とは、土地取引における特殊な事情などが取り除かれた、自由な取引において通常成立すると考えられる1平方メートル当たりの価格を示します。調査は全国26,000地点を対象に実施されました。
公示地価の決定は、まず1地点について不動産の鑑定評価の専門家である2人の不動産鑑定士が各々別々に現地を調査し、最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して評価を行います。さらに、地点間や地域間のバランスなどを検討し、国土交通省の土地鑑定委員会が最終的に決定しています。
国税庁は毎年7月に公表する相続税路線価、これは相続税及び贈与税の算定基準となる土地評価額ですが、公示地価の8割程度が目安として設定されています。
令和8年地価公示においては、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇が継続するなど、全体として上昇基調が続いています。
◆ 地価変動率の推移

(出典:国土交通省「令和8年地価公示の概要」)
【全国平均】
全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。全用途平均・商業地は上昇幅が拡大しましたが、住宅地は前年と同じ上昇幅です。
【三大都市圏】
全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、上昇幅が拡大しました。東京圏及び大阪圏では上昇幅の拡大傾向が継続していますが、名古屋圏では上昇幅が縮小しています。
【地方圏】
全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しています。
【用途別・住宅地】
引き続き住宅需要が堅調で、地価上昇が継続中です。特に東京圏・大阪圏等の中心部のマンション需要が旺盛な地域では、高い地価上昇が継続しています。また子育てしやすい環境が整備され、転入者が多い地域では、住宅需要が堅調であり、地価上昇が継続しています。
【用途別・商業地】
店舗・ホテルなどの需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向により収益性が向上していることから、地価上昇が継続しています。特にインバウンドが増加した観光地、再開発事業等が進展している地域では、高い地価上昇が継続しています。
◆ 商業地の変動率上位順位表(全国)

(出典:国土交通省「令和7年地価公示の概要」)
商業地の変動率上位をみると、大手半導体メーカーの工場が進出する地域(北海道千歳市)や再開発が進む観光地(東京都渋谷区、東京都台東区浅草)が上位を占めています。
令和8年の公示地価が全用途平均で2.8%上昇したことに伴い、令和8年分の相続税路線価も全国的に上昇基調となると見込まれます。相続税評価額の変動により、資産評価の見直しが必要になる場合があるのでご注意ください。