中小企業庁は、「令和7年中小企業実態基本調査(令和6年度決算実績)速報」を公表しました。これは、中小企業庁が毎年実施する業種横断的な調査で、中小企業の財務・経営実態を把握し、政策立案の基礎資料とするものです。
業績回復の兆し
調査結果から、1企業当たりの売上高は2.2億円(前年度比+6.9%)、経常利益は1,075万円(同+8.4%)と、堅調な回復が見られます。コロナ禍からの回復を示す数字といえそうです。
社長の就任経緯:創業者中心も承継型も多い
社長(個人事業主を含む)の就任経緯別構成比では、「創業者」(47.4%)が最多、次いで「親族内承継」(42.1%)となっています。産業別では、「学術研究、専門・技術サービス業」(71.7%)、「情報通信業」(69.7%)「生活関連サービス業、娯楽業」(66.2%)で「創業者」が多く、「製造業」(60.6%)で「親族内承継」が目立ちます。

出典:政府統計「令和7年中小企業実態基本調査(令和6年度決算実績)速報」
事業承継:課題が顕在化
一方、事業承継の意向別構成比は、「今はまだ事業承継について考えていない」(39.9%)が最多、次いで「現在の事業を継続するつもりはない」(26.9%)、「親族内承継を考えている」(23.2%)です。産業別では、「今はまだ考えていない」が「情報通信業」(57.6%)、「サービス業」(47.5%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(46.7%)で高く、創業者比率の高い業種と連動します。

出典:政府統計「令和7年中小企業実態基本調査(令和6年度決算実績)速報」
特に懸念されるのは、「現在の事業を継続するつもりはない」と答えた割合が、「生活関連サービス業、娯楽業」で39.9%、「宿泊業、飲食サービス業」38.2%、「小売業」31.2%、と高水準となっています。人手不足や後継者不在が背景にあるとみられます。