税のトピックス

2026年1月22日

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日本国籍の方が中国不動産を相続した場合の手続きと注意点

日本国籍の方が中国不動産を相続した場合の手続きと注意点

1. はじめに

近年、海外に財産を保有するケースが増えています。特に中国に不動産を所有している場合、相続や売却の手続きは複雑で、どのように進めればよいか悩む方が多いのが現状です。

「中国の相続手続きをどう進めればよいのか分からない」

「中国の不動産を売却して日本に資金を送金したいが、具体的な方法が分からない」

こうしたご相談をいただく機会が増えています。

本コラムでは、中国不動産の相続から売却、送金までの流れと注意点を分かりやすく解説します。

 

2. 中国での相続手続きの流れとポイント

※ 地域によって、手続や手続慣習が異なるため事前確認が必要です。

 

中国での相続手続きは、日本に比べて必要書類が多く、地域によって異なる場合があります。さらに、中国の公証役場での書類作成や翻訳が必要となるため、名義変更に数か月から半年かかることも珍しくありません。また、送金に関しても外貨規制が厳しく、審査に時間を要することが一般的です。

 

重要なポイント

  • 中国には相続税制度はありませんが、日本での相続税の課税対象になる場合があります。日本での納税義務については別途確認が必要です。

  • 日本の相続税申告期限(10か月以内)までに中国の不動産を売却・送金を完了するのは難しいため、納税資金の確保が必要です。

  • 名義変更完了後(相続手続)に販売手続きが可能ですが、売却期間は地域によって異なります。

 

3. 中国での不動産売却にかかる税金

中国で不動産を譲渡する場合、以下の税金が課税されます。ただし、5年以上保有している居住用建物を譲渡した場合は個人所得税が免税となります

個人所得税(財産譲渡所得) (収入額-取得価格-譲渡費用)× 税率20
増値税 所有期間2年未満 譲渡収入×税率5
所有期間2年以上 免税

地域によって特例があるため、事前確認が必要です。

 

さらに、日本居住者の場合、日本で所得税の納税義務が発生します。中国で納めた税金については、一定条件の下で外国税額控除の適用を受けることが可能です。

 

4. おわりに

海外に財産を保有している場合、日本の相続税申告期限までに換金化して納税資金を準備するのは容易ではありません。相続発生前に財産の整理や引き上げを検討することが、円滑な手続きにつながります。

こうした手続きは専門的な知識を要するため、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。

 

執筆:植地 麻里奈 uechim@yamada-partners.jp

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